キャッシングの知識

みなし弁済(〜べんさい)とは、貸金業法43条1項、3項により有効な利息又は賠償の支払とみなされる弁済をいう。

貸金業者は、貸付に係る契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令(貸金業法施行規則)で定めるところにより、所定の事項についてその契約の内容を明らかにする書面(実務上「17条書面」と呼ばれる。)を相手方に交付しなければならない(同法17条1項)。 また、貸金業者は、貸付の契約に基づく債権の全部又は一部について弁済を受けたときは、その都度、直ちに、内閣府令(同規則)で定めるところにより、所定の事項を記載した書面(実務上「18条書面」と呼ばれる。)を当該弁済をした者に交付しなければならない(同法18条1項)。これらの規定は、貸金業者が契約内容を説明した書面や弁済の受取証書を借主に交付しないために契約内容や弁済の有無をめぐって紛争が頻発したことから、こうした紛争を予防する目的で置かれたものである。

そして、貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(みなし利息を含む。)の契約又は賠償額の予定に基づき、債務者が利息又は賠償として任意に支払った金銭の額が、利息制限法1条1項、4条1項に定める制限額を超える場合において、貸金業者が17条書面及び18条書面を交付しているときは、その支払は、有効な利息又は賠償の支払とみなされるのである。

これは、前述した判例理論を一定の限度で覆すものであって、消費者保護に熱心な論者の間では廃止論が極めて強い。もっとも、裁判実務上は、みなし弁済の成立が認められる例はさほど多くはない。裁判例においてしばしば問題となる論点は、次のとおりである。

17条書面及び18条書面の交付があったか。
交付された書面が17条書面及び18条書面としての要件を満たしているか。
18条書面の交付が弁済「の都度、直ちに」なされたものといえるか。
借主のした弁済が「任意に」支払ったものといえるか。
借主のした弁済が利息又は賠償「として……支払った」ものといえるか。
みなし弁済が成立しない場合において、超過支払部分の不当利得返還義務を負う貸金業者は悪意の受益者(民法704条)といえるか。
悪意の受益者だとして、不当利得に付される利息の利率は民事法定利率(年5%)か、商事法定利率(年6%)か、それより更に高利率か。
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